FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2016.02.10 老害考
「保守」文筆家の曾野綾子氏が、『週刊ポスト』のインタビューで「老人は適当な時節に死ぬべき」と発言し、物議をかもしている。もともと、色々と議論を呼ぶ発言の多い方だが、今回の発言では「ならば、ご自身がまず手本に」など、発言がブーメランになっているようだ。曾野氏も84歳。発言したからには自分が老害だという自覚があるんだろーな、という「若年世代」の怨嗟の声がその反応からもみてとれる。
しかし、この発言はブーメラン的な反応で応酬するのではなく、彼女がどういう意図で発言したか、をもう少し考えた方がよいだろう。

私は、日頃の曾野氏の主張に頷ける点は少ないけれども、この発言についてはちょっとだけ一理あるのではないかと思う。
話は変わるが、今から20年近く前に、『朝日新聞』の川柳欄で「年寄りは 死んで下さい 国のため」という句が掲載され、ちよっとした話題を呼んだ。この句の背景には、現代にまで続く医療費・介護保険料の高負担があるわけだが、それらの問題について故渡辺美智雄氏が「世代交代が円滑になるには、老人世代が早く退場するべき」という意味合いの発言を皮肉って投稿された。
翻って、曾野氏の発言も、20年前の問題から世間が何一つ変わっておらず(むしろ、酷くなっている)、「老人世代は確かに日本の国力を高める原動力として必死に尽くされた。しかし、現役世代が少なくなる一方で、老人ばかりが増えていくのは社会が疲弊する構造になっている。平均年齢が高くなってはいるが、やはり老人世代はある程度の年齢で寿命を迎えるのがふさわしいし、それでこそ世代交代もスムースに進む」という意識のもと発言されたのだろうと思う。
要は言い方に問題があったということなのだろうが(笑)、しかし超高齢化社会が定着した現在、前述のような理想的な世代交代がこれから実現可能か、といえば全くそうではなく、今後もこの手の発言は増えこそすれ現実を伴わないままに鬱屈した世代間論争が続くところに曾野発言の限界があるように思う。

そして、現役世代である私たちが、この問題を受けて「理想的な老い方・死に方」「次代に日本をいかに引き継ぐか」をきちんと考えなければならない。ブーメラン的な反応で溜飲をさげているだけでは、いずれ私たちが老いたときに、同じような罵声を浴びるだけだろう。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://daitoaseinenclub.blog61.fc2.com/tb.php/540-0828b4d2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。